風鈴

僕と彼女の間で揺れる
ガラスでできた真っ赤な風鈴
静かな闇の中に響く
優しい音色は夏を運んでくるんです

レコードもラジオも消して
家の軒先で小さな花火
ほのかに香る石鹸の匂い
遠くで子供のはしゃぎ声が聞こえます

見つめ合うと はにかんで
潮風が浴衣を包む 浴衣を包む

やがて夜のとばりにとけだして
僕らは手を握りしめるんです
すると風鈴がひとつ音をたてて
恋が始まります 夏の恋が始まります

見つめ合うと はにかんで
潮風が浴衣を包む 浴衣を包む

そして飲み口が少しかけている
お祭りで買った古い湯呑みで
とても熱いお茶をふぅふぅ
僕の部屋の真ん中で飲みましょう

やがて夜のとばりにとけだして
僕らは手を握りしめるんです
すると風鈴がひとつ音をたてて
恋が始まります 夏の恋が始まります

The summer wind that envelops you

風鈴